アオノコキュウキ

言葉を綴ります。あしからず。

間延びした風景に

間延びした風景に

僕は君を見た。

間延びした風景の中で

君だけは静止画のようだった。

間延びした風景に

僕は僕を見つけられなかった。

僕は風景になりたかった。

思い出した時に美しいと思えるものが風景だった。

 

僕は僕をひとしきり侮蔑した後で

ひっそりと名前を呼んでみたんだ。

僕だけが知っている僕の字名。

君にだけは教えてあげようとしたんだ。

けれど君の世界に窓が無かったから

僕はそれを投げ入れることすら出来なかった。

君は相変わらず無機質な瞼をカチカチささて世界を見ているフリをする。

君は相変わらずどこにもない心臓を在るように振舞って

『私には心がある』なんて絵空事を描く。

 

僕は随分前から君を壊してしまいたかった。

だって、そんなの卑怯じゃないか。

間延びした風景に

間延びしない君が居るなんて。

間延びした風景の中で

君も自然と間延びするべきだったし

風化したそれらを見つめながら

僕だけが時間の経過を感じる。

間延びした二人言葉が

いつまで経っても触れ合わないように

間延びしたあの日の夕焼けが

いつまでも落ち掛けたままであるように

間延びした僕の日々が

それでも素晴らしいものだと思えるように

間延びした、今日まで間延びさせた僕らの生が

間違いではなかったと思えるように。

 

 

 

 

 

 

今日は福岡へ向かっています。

雨の影響で止まっている電車のダイヤ

代わりにバス出ているようです。

僕はのんびりとバスに揺られて

福岡に置いて来たエフェクターボードのことを考える。

帰り道は持っていかなくてはならないから、気が重い。

 

福岡へ行って

明日は大阪へ移動

京都と大阪でライブをした後

1日だけ東京でライブ

友達のCD発売イベントでお歌を歌うの。素敵でしょ?

そこからまた大阪へ帰って

その後愛知県へ。

お家へ帰るのは一週間か後

 

長らくね、旅をしているみたい。

もうずーっと旅をしているみたい。

何を探しているのか

どこを目指しているのか

どうすればその旅が終わるのか

何もわからない。

ただ、そういう精神修行のように

いろんな場所へ電車で、または歩いて行く。

何か、どこかで失ってしまったものを拾い集めようとしているかのようで

気味が悪い。いや、君が悪い。

 

僕の言葉は今日も間延びして行くから

ライブに来ておくれよ。