アオノコキュウキ

言葉を綴ります。あしからず。

2020-01-01から1年間の記事一覧

『ヒュプノスの子供たち』 バコト

六月 『ゆめみたい』って吐きかけた後で その言葉の意味を反芻する。 僕らはいつでも間違えて 僕らはいつでも正しくて 僕らはいつでも誰かの中で 僕らはいつでも僕らではなくなってしまう。 『ゆめみたいね』って君が言う 僕はもう、それがなにを指し示すの…

六月の雨

僕らは際限なく言葉を浪費して その連続で言葉は手垢塗れ、思惑塗れ 誰の為に生まれてどこへ消えていくか定まっていたはずの存在が、いつの間にか無限の生を与えられ、いつの日かただの空っぽな容れ物に変わってしまった。 不老不死、実態は無い。 私が言っ…

日々は小さな箱の中に

やぁ 5月は五月雨 たくさん降る雨のせいで 月が見えない日が多いことから 月不見月とも呼ぶらしいね 雨が全てを隠してくれたら良いのに それでも空に月が、星が、闇が お前はまだかと追い詰めてくるようで 昨日も今日も、そして明日も 代わり映えしない日々…

アポリア

きちんとした生活 きちんとした人格 きちんとした人生 きちんとした全て それらは一体誰の視点から語られ 誰の視点から排除され また多方向からの同調圧力によって ギリギリのバランスを保ちながら そこに停滞する概念のようなものか 僕らは決してそれを具体…

ノクティルカの探し物

ジリジリと熱い陽射しが地表を焼く。 僕は夏至という、日照時間が一年で一番長い日に生まれ、太陽から逃げるようにしてその限られた日陰で呼吸する術を獲得してきた。 しかしながら、太陽が殺人的な暑さを生む夏が苦手である。 溶けてしまう。 溶けて消えて…

何を終着点とするか

ゴール、終着点、ピリオド そういう類の、まぁ個人差というか認識の違いがあるかもわからないけれど、どこまで行けば良いのか、という目安だね。 例えば勉強 大学合格がゴールなのか、その後の就職に至るまでがゴールなのか、それとも死ぬまで学ぶのか。 例…